あるべき官僚の姿
大久保は通説では権威主義、国権至上主義者であり、かつての同志を明治六年の政変で切り捨て、反乱を鎮圧した冷徹な官僚であるとのイメージが強いが、細かく事情を追っていくと、必ずしもそうではない。民主主義には相応の理解があったが日本はそれ以前の段階であり、まだ無理だと考えた上で、漸進的な改革を行っていったのだし、士族反乱は国家建設の途上では断固として鎮圧しなくてはならなかった☆大久保は木戸のような理想もなければ西郷のような軍事的才能もない。傑出していたのは人事と臨機応変の対応だった☆政治的決断の場面では、最初から一つの結論にこだわらず、いくつもの選択肢を用意しておいて、異変に備えた。鳥羽伏見の戦いの前夜には、負けた場合の対策まで考えていたのである☆清廉潔白な進歩主義者だが、決して過ぎたることがない。バランス感覚が抜群だった☆日本国憲法にも書いてあるように、官僚が一部の奉仕者ではなく、国家全体の奉仕者であるという大原則は、今では当たり前のように思えるが、それを最初に実践したのは大久保であった。彼は国家を作りながら、その第一の奉仕者となったのである。
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20世紀末は、明治維新、敗戦に続く第三の改革期と 言われたが、中途半端なまま終わろうとしている。 この本は、大久保利通が、倒幕から新政府の基礎固めに あたり、理念または希望にすぎなかったものを、 彼自身成長しながら、一歩ずつ着実に実現していった 様子を描く。 著者は、利通の孫、利鎌氏の教え子ということで
利通にやや好意的すぎるようにも思えるが、 それを差引いても十分に面白い内容である。
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